人生で味わう傷は建築における開口部〜ユダヤ博物館〜

ベルリンにあるユダヤ博物館。建物には引っ掻かれた傷跡のように見える開口部(窓)がデザインされています。その建築の姿を見ているとユダヤ人の壮絶な過去を物語っているようにも感じます。

この建築のステキな部分は、傷跡のような部分が開口部(窓)になっているところです。建築の開口部は、外部との繋がりを生むだけでなく、光や風などの豊かな自然を内部空間にもたらしてくれます。

「人生で経験する傷は、建築にとっての開口部のようなものである。」

傷つくことで痛みがわかり、相手に優しくすることができる。それがきっかけで他人との繋がりが持てるし、永遠の仲間やパートナーができたり、彼らによって今まで自分が知らなかった世界や考え方を自分にもたらしてくれる。

まさに人生で味わう傷は建築でいう開口部(窓)のようなものかもしれない。4月から社会人としてスタートする新人の人達はおそらく今まで経験したことがない厳しい体験が待っているでしょう。でも傷は必ずあなたにとって素晴らしいものをいつか必ずもたらしてくれる。だからこそたくさん行動して傷ついてほしい。

そして、私自身こんなことを自分に言い聞かせてまた明日から頑張ろうと思います笑

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これはユダヤ博物館の一部外観・内観と全体像。。

 

 

批判に振り回されない:フランス・パリ〜フランス・エッフェル塔〜

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社会人になって10年以上が経つ。年齢も30代になり、仕事も一通り自分でできるようになってきた。だからこそ自分の力を試すため、独立してみようなどと考える人も少なくないと思います。

何か新しいことを始めようと行動していたら、色々な壁にぶち当たることが増え、精神的に疲れてくることもあるでしょう。

人間の不思議な部分だと思うのは、なんでも真新しいことをしようとすると必ずと言っていいほど批判がついてきます。

例えばパリのエッフェル塔エッフェル塔は今から130年前の1889年に作られました。「色合いが少なく、飾り気もないこんな巨大な塔が華の都パリに相応しいわけがない!」と、計画案が発表された当時は、批判的な意見であふれていました。

しかし時は経ち、現代を生きる人々にパリの代表的な建造物は何か?と聞くと、世界中のほとんどの人々がエッフェル塔をその一つの代表的な建造物と答えるくらい有名になり、そして気づけば多くの人々に愛されている建造物になっていて、批判的な意見を聞くこともほぼありません。

建設当時はあれだけみんな批判的だったのに、130年経った今では、みんなから認められていて、パリを代表する建造物になっています。

こういった時代の流れを見ていると、自分自身も案外人の目など気にせず、本当に自分のやりたいことをやってみるということはとても大切な気がしますね。

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それにしても、エッフェル塔本当に美しかった。。。

歴史を愛し、貢献する:栃木県富岡市〜富岡市役所・上州富岡駅〜

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富岡製糸場世界遺産として認定され、この街もこれから活気溢れるような街になってほしい。

富岡には街の名所となる建築がちらほら作られてきています。代表的なものとして上州富岡駅があげられます。

この建築には1枚の大きな屋根が架かっていて、足元には富岡の名物でもあるレンガが積み上げられています。

レンガの積まれ方が独特で、所々にベンチとして座れるようなスペースも設けられていたりします。レンガ独特の暖かみを感じられて、とても落ち着きますね。。

いかにも床からレンガが盛り上がって出てきたみたいで、面白いですね^ ^

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大屋根の下には、駅だけでなく観光案内所や自転車置場、箱状のトイレが入れ子で配置されています。

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そんな暖かみ溢れた富岡駅から少し歩くと、1階部分を街に開放している建物を見つけました。街全体が都市に対してオープンになっているようでとても好感が持てます。ちなみに内部には真実の口という謎の占いがありますので、試してみるといいかもしれません笑

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街をふらふらしながら歩いてようやく目的地の富岡市役所に到着。隈研吾さんの設計ともあって、とても軽快な外観です。

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建物を眺めながら近づきエントランスから中に入ると、早速吹抜けのある開放的なホールが出迎えてくれます。隈さんの空間的な特徴でもある上階に上がりたくなる構成は、とても好奇心を駆り立ててくれます。

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階段手すりは全てガラスなので、開放的であるだけでなく、周囲の環境や内部空間の奥まで見通せる程、視線がよく通り抜けます。
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未来的なのに、どこか日本的な雰囲気が作り出されているのが素敵です。隈研吾さんの建築は装飾が繊細に施されているので一見するととても複雑に思われるのですが、内部空間はとてもシンプルで明快な構成になっています。

富岡製糸場世界遺産に選ばれたからこそ、その名に相応しい素敵な街になっていって欲しいですね。

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こちらは富岡商工会議所。富岡の街を盛り上げてくれる代表建築の1つです。

 

 

壮大な思い:北海道札幌市〜モエレ沼公園〜

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北海道の札幌駅から少し離れた場所にあるモエレ沼公園です。元々ゴミ処理場だった場所を整備し、世界的彫刻家であるイサム・ノグチ氏によって計画された大規模な一つの作品にもなっています。

公園の入口から内部へと入ると透明感のある美しいガラスのピラミッドが、訪問する人々を出迎えてくれます。

ピラミッドは全てがガラスでつくられており、周りの美しい風景を映し出してくれます。ピラミッド内部にはギャラリーや公園の管理事務所、レストランなども入っていて、巨大な吹抜けが全ての空間を1つに繋いでくれています。

ピラミッド背後は駐車場になっていますが、人駐車場上は人工地盤になっていて芝生で覆われているため、周囲からは見えないようになっています。

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ガラスのピラミッドだけでも驚きですが、ピラミッドはこの公園の一建築に過ぎません。とても巨大な作品が点在しています。

東京で生まれ育った自分には、この場所はとても広大で、本当に日本なのかと感じるくらい日本離れした雰囲気を感じます。

公園内には山があり、頂きに行くと公園内の全てを見渡すことができます。

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真っ直ぐな階段が山の頂きまで延びていて、ドラマチックな雰囲気を醸し出しています。階段の両サイドに散らばる木々もなんだか印象的です笑

 

この写真はガラスのピラミッドを上から見たもので、大地の高低を利用しながら建築を作っているのが確認できます。

この公園は空から見ると大地というキャンパスに施された一つの大きな作品のようになっています。人間の目線では全体をなかなか確認できないところが惜しいところですね。

 

歴史を尊重する:東京都台東区〜浅草文化観光センター〜

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新国立競技場の設計者として有名な世界的建築家・隈研吾さんが、東京を代表する名所・浅草に設計した建築です。

浅草雷門の目の前に存在する敷地ということから、歴史的に見ても世界的に見てもとても重要な役割を果たすことは間違いないでしょう^ ^

日本的な格子のデザインも素敵ですが、何より面白いのはまるで平屋建の住宅が積み重なってできたような外観をしているところでしょうか^_^

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その形は例えるなら、現代風五重塔みたいです笑 建物外観のガラスには、浅草の美しい風景が映し出されています。

外観だけでなく、内部空間も工夫が凝らされています。中に入るとエントランスは吹き抜けていて、訪れた人々に上階へと意識を向けてくれるようになっています。何より楽しみながら上昇できるところが嬉しい限りです。

途中、積み重なった屋根の勾配をホールの観客席として利用しているところなど、とても感銘を受けます笑

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最上階はカフェとテラスになっていて、テラスからは浅草寺だけでなく、スカイツリー墨田区役所・アサヒビールビルなどの東京を彩るステキな風景を楽しむことができます〜

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こちらは展望テラスから見える風景です。

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中でもカフェでコーヒーを飲みながら、浅草仲見世を眺めたいる間は格別なひとときでした

^^

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写真の通り、浅草寺まで一直線に伸びる仲見世を上空から見られるのは、とても貴重な瞬間ですね^ ^

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最上階テラスでは、ベンチも置いてあるので、旅の疲れを癒すこともできます。夜は浅草の夜景を眺めることもできるので、想像するだけでウキウキしてきます。

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こちらは夜の文化センター。浅草を彩る行灯のようですね。

余計なものは捨てる:香川県坂出市〜香川県東山魁夷せとうち美術館〜

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給料日になったら、服を買って、靴を買って、バッグを買って、携帯変えて、家具新しくして、家電新しくして…

そんなことを考えて日々を過ごし、ようやく手に入れたら次は欲しい物が新たに現れて…

たしかに物欲は年収を上げるためのモチベーションアップに繋がることが多いですね。しかし物で溢れた空間で過ごすのは、掃除もしにくいし目移りするので落ち着かないかもしれません。

そういう時は思い切って断捨離を心掛けよう!ということで、そんな精神を学べる美しすぎる美術館を紹介したいと思います笑

その美術館とは、四国は香川県坂出市の瀬戸内海に面している世界的建築家・谷口吉生さんが設計した「東山魁夷せとうち美術館」です。美しさに溢れたこの美術館の特徴について紹介していきます!

◾️斜めのアプローチ

建物を計画する時にアプローチはとても重要な要素です。一般的には建物に向かってまっすぐにアプローチを計画することが多いですが、ここでは建物に対して斜めにアプローチを設けています。

こうすることで建物全体の形を正面ではなく違う角度から見ることができるので、建物の全体像を確認でき立体的に感じられることができます。また訪れる人に対して気持ちを整えさせてくれる気もするところが素敵ですね!

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◾️空間を特徴づける2枚の壁

この建物は、バーモント産のグリーンスレートで覆われた青銅色の2枚の壁を少しずらして建てて、その両端に2層吹抜けの展示空間とカフェが配置されています。

2枚の壁を中心に空間が流動的に作られているのがとても興味深く感じられます。

このようなシンプルな構成で美しくも豊かな空間を作り出すことができるなんて本当に勉強になりますね^ ^

これは私個人の意見ですが、建築を学びたいのであれば、大学の授業などで谷口吉生さんの建築を図面や模型でトレースするのが一番いいのではないかと思うくらいです笑

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◾️物語を吹き込む

まず斜めのアプローチに従って建物に近づいていくと、目の前には薄く延びているスティール庇下のガラス張りのエントランスが出迎えてくれます。

エントランスの天井は低く抑えられていますが、壁沿いに奥へ進むと2層吹抜けの展示空間が現れます。エントランスの天井が敢えて低く抑えられた空間から移動してきただけに開放感が増して感じます。

この展示空間にある階段を上がると、2枚の建てられた青銅色の壁の間の展示空間を通り抜けていきます。

壁の間を抜けて奥へ行き階段を降りていくと、目の前には瀬戸の海を一望できるガラス張りのカフェが現れます。

というように、このような建築内部にある物語のような流れを直に感じられるところがこの建築の素晴らしいところです^_^

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そして最後はここのカフェで瀬戸の美しい海を眺めながらコーヒーを飲む贅沢なひとときを味わいましょう^_^

常識を疑う:京都府京都市〜タイムズ〜

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京都にある世界的建築家・安藤忠雄さんの初期作「タイムズ」。敷地の横には高瀬川が流れています。

安藤忠雄さんの建築といえば、コンクリートの打ち放しが有名ですが、この建築の外壁にはコンクリートブロックが使われています。

「コンクリートではないのか〜」と残念がっていたのですが、実際近くで見てみるとブロック独特の目地が見えているのですが、整っていて独特の陰影が生まれておりとても味わいのあるデザインに感じました。

ここでは安藤忠雄さんが、自身の初期作であるタイムズで考えたアイデア💡を参考にして建築を考える上でのアイデアについて学んでいきたいと思います。

◾️自然と建築を共存させる

建築を不動産として考えた時、一般的には川は臭いだったり、洪水になった時の被害が怖いなどということから建物を切り離して考えがちです。

それどころか川と関わりを持たないように防御壁を建てるなど、完全に隔離することすら考えるかもしれません。

現にタイムズ建設前は、周辺にある建物のほとんどが川に背を向けて作られていたといいます。

でも安藤忠雄さんは、そんな高瀬川を建築に取り込むことを考えたんですね。

安藤さんはまず高瀬川について調べて、この川は水質も良好で、過去に洪水被害等もなかったので、この川を建築に取り込むことを考えたそうです。

そのため敷地全体の高さも水面レベルまで下げて、親水性を高めています。

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そのおかげで訪れた人達はそこに川が流れているという昔から存在する事実を認識することができます。

建築に携わっているからわかるのですが、こういった建築を作るときには、行政との粘り強い交渉を行うことになるので、相当な人間力とメンタルの強さが必要だったのではと思います。

◾️路地を取り込む

古風な雰囲気漂う路地空間は、京都の街並みの特徴でもあります。タイムズには、入り組んだ立体的な路地が作られています。

この建物に入るといい意味で迷い込み、その先で店舗が現れたりと未知との遭遇を味わえます。

何より路地空間はスケールが小さく親しみを感じることができるので、それを建築に取り込むことで長く人々から愛される存在になるのではないでしょうか^ ^

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当たり前に建築を不動産として作っていた時代に、その常識にある意味で「待った!」をかけて、違うかたちで建築を提案した安藤忠雄さん。

設計者としても人間としても、とても勉強になりました^ ^

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