余計なものは削ぎ落とす〜香川県東山魁夷せとうち美術館〜

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給料日になったら、服を買って、靴を買って、バッグを買って、携帯変えて、家具新しくして、家電新しくして…

そんなことを考えて日々を過ごし、ようやく手に入れたら次は欲しい物が新たに現れて…

たしかに物欲は年収を上げるためのモチベーションアップに繋がることが多い。しかし物で溢れた空間で過ごすのは、掃除もしにくいし目移りするので落ち着かない。

そういう時は思い切って断捨離を心掛けよう!ということで、そんな精神を学べる美しすぎる美術館を紹介したいと思います笑

その美術館とは、四国は香川県坂出市の瀬戸内海に面している世界的建築家・谷口吉生さんが設計した「東山魁夷せとうち美術館」です。美しさに溢れたこの美術館の特徴について紹介していきます!

 

◾️斜めのアプローチ

建物を計画する時にアプローチはとても重要な要素です。一般的には建物に向かってまっすぐにアプローチを計画することが多いですが、ここでは建物に対して斜めにアプローチを設けています。

こうすることで建物全体の形を正面ではなく違う角度から見ることができるので、建物の全体像を確認でき立体的に感じられることができます。また訪れる人に対して気持ちを整えさせてくれる気もするところが素敵ですね!

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◾️空間を特徴づける2枚の壁

この建物は、バーモント産のグリーンスレートで覆われた青銅色の2枚の壁を少しずらして建てて、その両端に2層吹抜けの展示空間とカフェが配置されています。

2枚の壁を中心に空間が流動的に作られているのがとても興味深く感じられます。

このようなシンプルな構成で美しくも豊かな空間を作り出すことができるなんて本当に勉強になりますね^ ^

これは私個人の意見ですが、建築を学びたいのであれば、大学の授業などで谷口吉生さんの建築を図面や模型でトレースするのが一番いいのではないかと思うくらいです笑

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◾️物語を吹き込む

まず斜めのアプローチに従って建物に近づいていくと、目の前には薄く延びているスティール庇下のガラス張りのエントランスが出迎えてくれます。

エントランスの天井は低く抑えられていますが、壁沿いに奥へ進むと2層吹抜けの展示空間が現れます。エントランスの天井が敢えて低く抑えられた空間から移動してきただけに開放感が増して感じます。

この展示空間にある階段を上がると、2枚の建てられた青銅色の壁の間の展示空間を通り抜けていきます。

壁の間を抜けて奥へ行き階段を降りていくと、目の前には瀬戸の海を一望できるガラス張りのカフェが現れます。

というように、このような建築内部にある物語のような流れを直に感じられるところがこの建築の素晴らしいところです^_^

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そして最後はここのカフェで瀬戸の美しい海を眺めながらコーヒーを飲む贅沢なひとときを味わいましょう^_^

失ったものを取り戻す〜タイムズ〜

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京都にある世界的建築家・安藤忠雄さんの初期作「タイムズ」。敷地の横には高瀬川が流れています。

安藤忠雄さんの建築といえば、コンクリートの打ち放しが有名ですが、この建築の外壁にはコンクリートブロックが使われています。

「コンクリートではないのか〜」と残念がっていたのですが、実際近くで見てみるとブロック独特の目地が見えているのですが、整っていて独特の陰影が生まれておりとても味わいのあるデザインに感じました。

ここでは安藤忠雄さんが、自身の初期作であるタイムズで考えたアイデア💡を参考にして建築を考える上でのアイデアについて学んでいきたいと思います。

 

◾️自然と建築を共存させる

建築を不動産として考えた時、一般的には川は臭いだったり、洪水になった時の被害が怖いなどということから建物を切り離して考えがちです。

それどころか川と関わりを持たないように防御壁を建てるなど、完全に隔離することすら考えるかもしれません。

現にタイムズ建設前は、周辺にある建物のほとんどが川に背を向けて作られていたといいます。

でも安藤忠雄さんは、そんな高瀬川を建築に取り込むことを考えたんですね。

安藤さんはまず高瀬川について調べて、この川は水質も良好で、過去に洪水被害等もなかったので、この川を建築に取り込むことを考えたそうです。

そのため敷地全体の高さも水面レベルまで下げて、親水性を高めています。

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そのおかげで訪れた人達はそこに川が流れているという昔から存在する事実を認識することができます。

建築に携わっているからわかるのですが、こういった建築を作るときには、行政との粘り強い交渉を行うことになるので、相当な人間力とメンタルの強さが必要だったのではと思います。

 

◾️路地を取り込む

古風な雰囲気漂う路地空間は、京都の街並みの特徴でもあります。タイムズには、入り組んだ立体的な路地が作られています。

この建物に入るといい意味で迷い込み、その先で店舗が現れたりと未知との遭遇を味わえます。

何より路地空間はスケールが小さく親しみを感じることができるので、それを建築に取り込むことで長く人々から愛される存在になるのではないでしょうか^ ^

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当たり前に建築を不動産として作っていた時代に、その常識にある意味で「待った!」をかけて、違うかたちで建築を提案した安藤忠雄さん。

設計者としても人間としても、とても勉強になりました^ ^

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公園のように誰でも入ることができる〜横浜港大桟橋国際船ターミナル

横浜にある大桟橋国際船ターミナルです。日本ではあまり見かけないタイプの建築で、壮大かつ斬新なデザインが印象的です。見た目からして面白さが伝わってきますね^ ^

この建築は1995年に国際コンペが行われ、ザエラ・ポロ氏とファッシド・ムサビィ氏の案が見事に選ばれました。

少し日本人離れしたデザインだと感じたのは、そのためだったんですね^ ^

そんな気持ちを高ぶらせてくれるこの建築の魅力についてみていきましょう!

 

◾️自然界のように波打つ床

この建築の屋上は全てテラスになっていて、床は木板で作られています。床は所々でうねっていたり坂になっています。

テラスには所々に芝生が植えられていて、海の近くとは思えないほど素敵な憩いの空間となっています。

木板を踏む時に鳴る独特の音を聞きながら起伏のあるテラスを歩いていると、なんだかとても爽やかな気持ちになります♪

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◾️360度に広がる壮大な景色

何より圧巻なのは、ここでは360度全方向から横浜の美しい景色を眺められることです。ランドマークタワーや赤レンガ倉庫、ベイブリッジなど横浜に広がる贅沢な景色を楽しむことができます。

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昼間も絶景ですが、夜景も見てみたいところですね。。デートスポットとしても最適な気がします笑

 

◾️公園のような建築

この建築の素晴らしいところは特に入場規制等はされていないので、いつでも誰でも立ち入ることができます。

そのスタイルはまさに住宅街にある公園のようですね!そんな建築を創るという心意気が横浜にはあるから、この街は長く愛されるのかも知れないですね^_^

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まるで大型客船の外部デッキで過ごしているかのよう。。

物語のように建築をつくる〜水の教会〜

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‪北海道にある水の教会。‬安藤忠雄の大人気作品の一つとして有名です。安藤忠雄さんと言ったら、光・風など自然をテーマにした教会を作っていますが、この教会のテーマは「水」!

とにかく自然豊かな場所に建てられていて、夏は瑞々しく茂る樹木・秋は紅葉・春は真っ白な雪景色など四季それぞれの美しさを堪能することができます。

 

◾️物語のような感動を演出したアプローチ

‪ドラマチックに演出されているアプローチがとてもロマンチックです✨‬

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まずはL字型の壁に沿って歩くが、この壁によって教会の水盤を眺めることができないようになっています。

でも水のせせらぎの音は聞こえるので、気持ちが高ぶり歩みが自然と早まります。L字型の壁の先には穿たれた開口があり、そこをくぐり抜けるとようやく教会全体の姿を見ることができます。

今度はL字型の壁の内側沿いに歩いて建物に近づいていきます。建物の開口部を通るとまず最初に待ち受けているのが、十字架が建てられた光溢れるガラスボックスです。

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この十字架の外周を歩きながら気持ちを整えて更に進んでいくと、今度は下へと続く円弧状の空間が現れます。この円弧状の空間内にある仄暗い階段を降りていくと、そこには目の前に水盤が広がった奥に北海道の美しい自然を眺めることができる教会に辿り着きます。

目の前には‪十字架が建てられていて、水面に浮かぶその十字架を眺めている時間は、心を穏やかにしてくれます。

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‪できれば人の少ない朝一番に行ってみると、堪能できます✝️‬

美しさは罪〜法隆寺宝物館〜

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世の中にはあまりにも美しい物が存在し、美しいものは見た人を魅了し虜にします。

東京上野にそんな美しすぎる美術館があります。それは世界的建築家・谷口吉生さんが設計した法隆寺宝物館です。

 

◾️余計なものは一つもない

この建物は均整のとれたプロポーション、余計な装飾は削ぎ落とし、究極と言える程に建築の納まりを考え抜いてデザインしていることが見てわかります。

 

◾️3つの重なる箱

この建物は、タイルが張られた展示空間の箱・ガラスの箱・門構えのカタチが立体的に重合されて作られています。

ちょうど展示空間とガラスの箱が重なっていないところに階段が設置されているところが素敵ですね^ ^

美しさの秘訣は長方体のような純粋なカタチを壊さずに建築を作っているからでしょう!

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◾️水盤が建築を引き立てる

建築の前面部分には水盤があります。そしてこの水盤には通路があり、入口まで延びています。

それは訪れる人が、まるで極楽の空間に向かう時のように気持ちを整えてくれます。それだけでなく、水面には建築の美しい姿を映し出します。

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自分はこの建築作品を見た時、恋に落ちました。あまりの美しさにしばらく立ち尽くしていたのを覚えています笑

それ以来、このような美しい建築が作りたいと思い、今に至っています。

建築設計は、本当に大変な仕事だと思います。好きだけど、毎日嫌になることもあります。でも、近いうちに自分が満足できる建築が世に送り出せるように辛いことだらけだけど、今も頑張っています。

こんな辛い目に合ってもやめないなんて…本当に美しさは罪だ!

 

住所 東京都台東区上野公園13-9

TEL 03-3822-1111

上野駅公園口から徒歩約10分

 

近寄りやすいこと〜太田市図書館美術館〜

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色んな人から色々文句を言われたりダメ出しされると、自分は何てダメなんだろうと思うこともあるでしょう。

でも、気にしすぎることはないのかもしれない。色々な人から色々言われるということはあなたは言い訳をしたり、変に壁を作らないので相手を受け入れる器があると思われているという裏返しでもあるのでしょう。

それは立派な才能だ。

この建物はとても近づきやすい。東西南北そして何階のどこからでも入ることができる。変に入口を決めることで近づきにくい雰囲気を出してしまうことがあるが、この建物のように東西南北そして何階からでも入ることができるととても近づきやすい雰囲気がある。

そんな建物はとても街の人達から愛されている。この建物がこの街の活性剤になってくれたら嬉しいと思う。

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屋上テラスより。隣には電車が走っているのがわかります。
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テラスのあちこちに休憩スペースや植栽があるので、自分の好きな場所でくつろぐことができます笑

 

住所 群馬県太田市東本町16番地30
TEL 0276-55-3036

太田駅から徒歩1分

 

斬新なアイデアは膨大な研究から始まる〜司馬遼太郎記念館〜

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あの人みたいに斬新なアイデアが思いついたらいいなぁと感じることはあるでしょう。司馬遼太郎さんのように、多くの人々を感動させる文学を生み出してきた人はどのようにして作品を創作してきたのでしょうか。

そんな司馬遼太郎さんと、司馬さんが創り出した作品について知ることができる記念館が大阪にはあります。

この建築には司馬さんの世界観が十分に表現されていますので、その特徴を紹介していきたいと思います。

 

◾️植栽に隠れるように佇む

司馬遼太郎記念館は、大阪郊外の住宅地にある司馬遼太郎さんの元自宅の庭の植栽に埋もれるように建てられています。

豊かに植えられた敷地内の庭園を歩きながらしばらく進むと、ようやく安藤忠雄さんお得意のコンクリートで作られた建築が姿を現します。

おそらくこの記念館ほどのボリュームを持つ建築を普通に建てていたら、とんでもない威圧感を持った建築になってしまいますが、地下に埋まっているのでうま〜く植栽に隠れています。

記念館ともなればインパクトのあるかたちで自己主張したい気持ちはありますが、あえて自然に隠れるように建築するあたりが司馬さんの作品のような親しみやすさを感じさせてくれます。

 

◾️3層吹抜けの壁一面に設置された本棚

弓なりのガラス通路を通りエントランスを抜けると、右側に3層吹抜けで壁が本棚で作られた大空間が出迎えてくれます。

この吹抜け空間の奥にはステンドガラスが設けられていて、柔らかな明かりが暖かみのある空間を創り出してくれます。

これはあくまで私の私見ですが、ステンドガラスもよく見ると本棚のような模様をしているので、本棚の延長のようにも感じられました。

そしてこの3層吹抜けの壁一面に設置されている本棚は司馬遼太郎さんの膨大な知識量を表現しているそうです。

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司馬さんと言えば、ご自身の作品を執筆するために、ありとあらゆる膨大な資料を読み漁り、研究に研究を重ねて執筆に取り掛かることで有名です。

この膨大な書籍を読みこんで、研究を重ねたからこそあれほどの素晴らしい作品を世に生み出すことができたんですね。

才能がないと言い訳する前にまずは興味ある分野について資料を集めて研究することからはじめてみようではないか。という気持ちにさせてくれます。

 

以上のようにこの建物には思いをかたちにする上で、とても参考になるアイデアで溢れています。

まさに、成功は1日にしてならず!ということで、まずは小さなことから少しずつ始めていくことが成功への近道になるかもしれないですね^_^

 

住所 大阪府東大阪市下小阪3丁目11番18号

TEL 06-6726-3860

八戸ノ里駅から徒歩約10分