神奈川県横浜市 横浜港大桟橋国際船ターミナル
和、西洋、中国と、さまざまな文化が混ざり合い、共存する街、横浜。
そんな素敵な街・横浜に、大桟橋国際船ターミナルという建築があります。
日本ではあまり見かけないタイプの建築で、壮大かつ斬新なデザインが印象的です。見た目からして面白さが伝わってきますね^ ^
この建築は1995年に国際コンペが行われ、ザエラ・ポロ氏とファッシド・ムサビィ氏の案が見事に選ばれました。
日本人離れしたデザインだと感じたのは、そのためだったんですね^ ^
そんな気持ちを高ぶらせてくれるこの建築の魅力についてみていきましょう!
◾️自然界のように波打つ床
この建築の屋上は全てテラスになっていて、床は木板で作られています。床は所々でうねっていて、坂になっています。
テラスには所々に芝生が植えられていて、海の近くとは思えないほど素敵な憩いの空間となっています。
木板を踏む時に鳴る独特の音を聞きながら起伏のあるテラスを歩いていると、なんだかとても爽やかな気持ちになります♪
◾️360度に広がる壮大な景色
何より圧巻なのは、ここでは360度全方向から横浜の美しい景色を眺められることです。
ランドマークタワーや赤レンガ倉庫、ベイブリッジなど横浜に広がる贅沢な景色を楽しむことができます。
昼間も絶景ですが、夜景も見てみたいところですね。。デートスポットとしても最適な気がします笑
◾️公園のような建築
この建築の素晴らしいところは特に入場規制等はされていないので、いつでも誰でも立ち入ることができます。
こういうデザインの空間は、必ず入場料金を払わないと入らなかったりするのですが、ここではありがたいことに無料で開放されています。
そのスタイルはまさに住宅街にある公園のようですね!
そんな建築を創るという心意気が横浜にはあるから、この街は長く愛されるのかも知れないですね^_^
まるで大型客船の外部デッキで過ごしているかのようです。
建築をつくるとき、床はフラットでなければいけないと思い、それからデザインを決めることが多いと思いますが、ここではその常識を打ち破ってデザインが考えられています。
建築でも仕事のアイディアでも、常識から考えて提案することが当たり前だと思わなくていい。
思い切って提案したからこそ、今まで見たこともない空間が生み出されています。
そしてそれをみんなに解放する、まさにここでしかない素敵な建築に感謝です。
東京都江戸川区 葛西臨海公園クリスタルビュー
東京の江戸川区にある葛西臨海公園に世界的建築家・谷口吉生さんが設計したクリスタルビューという建築があります。
葛西臨海公園といえば、東京都民ならほとんどの方が行ったことのある葛西臨海水族園が有名ですが、この水族園も谷口吉生さんが設計した建物になります。
その建物に隣接して、クリスタルビューを設計されています。
谷口さんの建築では珍しく、外観全てがガラス張りになっています。
ここでは、そんな谷口さんが考えた建築のアイデアについて学んでいくことにします。
◾️都市軸を考える
葛西臨海公園駅の改札を出て海側へ歩こうとすると、メインストリートの軸が真っ直ぐ海に向かって延びていることがわかります。
そしてその軸線の先には、海に向かって開けた大きな開口が開けられています。
軸線の通ったこの計画は、とてもダイナミックで、訪れた人々に海に対する意識を感じさせてくれます。
この手法は、谷口さんの広島にある清掃工場でも行われていますが、とても美しく人々の記憶に残る印象的な手法ですね!
なんだか訪れた自分も、この独特な光景を見ると綺麗に整っていることで街自体が美しく感じ、この軸の先には一体何が待ち受けているのか気になり、先に進むのがとても楽しみになります^ ^
◾️開かれた展示空間
クリスタルビューは東西南北全面がガラス貼りになっています。
内部は展示空間になっていて、スロープで上り下りできるようにもなっています。
ここでは、美術館で用いる回遊性のある動線計画が盛り込まれています。
そのおかげで自然豊かな公園内の景色と美しい海を眺めながら、建物内を回遊することができます^_^
美術館では作品を楽しめるように動線計画がされていますが、ここでは外の風景を展示作品に見立てているようです。
◾️入れ子構造
クリスタルビューは海に面した建物としては斬新なデザインですが、実はとてもシンプルな構成になっています。
内部に鉄筋コンクリート造の箱があり、その周りにスロープや階段などの移動空間が作られています。
そしてその構造体を囲うように、鉄骨部材で作られたガラスボックスが設けられています。
とても明快で美しい建築に仕上がっていて、見とれるばかりです。
この建物は普段は無料で解放されていますので、誰でも訪れることができます。
葛西臨海公園に訪れた際は、ぜひとも訪れてみて下さい。
千葉県千葉市 ホキ美術館
千葉県の士気駅からしばらく歩くと、ホキ美術館というステキな美術館があります。
印象的なのは、びよ〜んと跳ね出したカタチです。
一体どれだけ跳ね出しているのか?地震がきたらもつのかなど色々考えてしまう時点で常識に縛られてしまっているのかもしれないですね。。。
外観がとても印象的ですが、内部の展示空間も印象的で、足元に設けられたガラスから光を取り入れているところなど、展示されている作品に相応しい透明感と清潔感のある綺麗な空間になっていました。
30メートルくらい跳ね出しているボリュームは鉄板構造で、その下の部分はRC造で作られています。
直方体のボリュームが積み重ねられているような形をしていて面白いですね!
夜になると建築から漏れる光にあふれた姿がとても美しいと聞きます。
私も今度行くときは夕方くらいに行ってみようと思います。
神奈川県足柄下郡箱根町 ポーラ美術館 設計:日建設計
例えるなら会社や学校で年上の綺麗な女性を見かけて、その色気に見惚れてしまうような美しさ。
箱根にあるポーラ美術館はそんな例えが相応しいと感じる程の美しさを持った美術館です。
透明感、優しさ、か弱さ、明るさ、美しさ…
この空間に触れたら思わず見惚れてしまうでしょう^ ^
この建築を見て、学生時代や20代のトキメキを思い出しそうです笑
ポーラ美術館は箱根の自然の中に埋もれたように建築されています。
そのおかげで、建物の全体像は確認することができません。
建物自体は見えませんが、外見の形状はすり鉢のような形をしています。
建築を作ることは、言ってみれば自然を必ず破壊してしまうことでもあります。
当初の計画では、箱根の自然を壊さないように建物を作っていく予定でしたが、そのように計画するよりも建物を一つの塊としてその場所に建築する方が、自然破壊が最小限に抑えられるとのことで、この形を選択したとのことです。
見ての通り、山の中に埋もれているように建築されているので、階段やエスカレーターで降りながら内部空間の奥へ入っていきます。
美術館は、展示空間へ上がって行くことが多いので、潜っていくのはどこか独特な感覚を覚えます笑
それにしてもこのガラスと自然のコントラストは、とても美しいです。
自然との共生を物語ってくれる姿、是非とも体験して頂きたい。
東京都足立区 六町フローラ
東京都足立区にある六町フローラという美術館です。
「えっ!足立区六町駅前に美術館がある?そんなはずは!」
なんて思われた方も多いのではないでしょうか?笑
そう思われても仕方がないです。
足立区で育った私からしても、足立区にそんなものを作ったら、大変なことになるんではないか?と心配になったこともあります笑
でも、心配ご無用で、当初から変わらず今も存在し続けておりました。
この美術館の繁栄を願って定期的に来る私ですが、足立区育ちの私からも、是非とも足を運んで頂きたいです^ ^
足立区六町とはどういう場所かといいますと、つくばエクスプレスが開通し、六町駅ができたことで、駅前にスーパーやお店、ビルやマンションができ、今でも駅近で区画整理が行われています。
駅前は高低差も特に無く、とても綺麗に区割りされています。
そのような土地柄なので、建築家にとっては少々物足りないと感じる方もいらっしゃるかと思いますが、一体どうやってこの場所に面白い建築を作ったのか、その特徴について見ていきましょう。
エントランスに入ると、目の前にチケット売り場カウンターがあり、右側には建物の特徴である水盤のある中庭が出迎えてくれます。
その中庭を囲むように、展示スペースが計画されています。
私は中庭に惹かれて、いきなり中庭に出て、石床に導かれるように2階のカフェスペースに上がっていきました。
カフェスペースは、中庭に向けて開口部(窓)が設けられており、中庭を眺めながらゆっくり過ごすことができます。
コーヒーもセルフサービスで飲むことができるので、とてもありがたいですね。
この中庭はよくみると真ん中が凹んでいて、外側は中庭を囲むようにそり立っています。
設計者の方いわく、この中庭は直方体の形を球体で上から押し込むと、直方体が凹みますね。
その凹んだ部分を中庭にしているとのことをうかがいました。
発送がとても面白いですね。
図で説明しますと、こんな感じです。
駅近で利便性が高いにぎやかな土地には、賃貸収入などが得られるマンションやビルをつくりがちですが、ここでは美術館をつくって地域に開放してくれました。
このような粋な美術館を足立区六町に創ってくれた建築主の方に強い憧れをもちます。
とても嬉しい^_^
自分も将来そんな人物になりたいと思う今日この頃でした。
東京都台東区 法隆寺宝物館
「なんてきれいなんだ!」
「こんな美しいものと出会えたなんて、驚きだ!」
「できればこのままずっと眺めていたいものだ。」
世の中にはあまりにも美しい物が存在し、美しいものは見た人を魅了し虜にします。
東京・上野には、そんな美しすぎる美術館があります。
そんな美しすぎる法隆寺宝物館の美しさについて、紹介していきます。
◾️余計なものは一つもない
この建物は均整のとれたプロポーション、余計な装飾は削ぎ落とし、究極と言える程に建築の納まりを考え抜いてデザインしていることが見てわかります。
◾️3つの重なる箱
この建物は、タイルが張られた展示空間の箱・ガラスの箱・門構えのカタチが立体的に重なり合って作られています。
ちょうど展示空間とガラスの箱が重なっていないところに階段が設置されているところが素敵ですね^ ^
図で説明しますとこんな感じです。
美しさの秘訣は長方体のような純粋なカタチを壊さずに建築を作っているからでしょう!
おまけに正面のガラスの箱には、周辺の樹々が映し出されて、とてもきれいに輝いています。
◾️水盤が建築を引き立てる
建築の前面部分には水盤があります。そしてこの水盤には通路があり、入口まで延びています。
それは訪れる人が、まるで極楽の空間に向かう時のように気持ちを整えてくれます。
それだけでなく、水面には建築の美しい姿を映し出します。
建物正面には石で作られたベンチがあり、そこに座ると建物と向かいあって、水のせせらぎを聞きながら、過ごすこともできます。
自分はこの建築作品を見た時、恋に落ちました笑
あまりの美しさにしばらく立ち尽くしていたのを覚えています笑
それ以来、このような美しい建築が作りたいと思い、今に至っています。
建築設計は、本当に大変な仕事だと思います。
好きだけど、嫌になることもあります。
建築は何百、何千という人が関わる仕事なので、正直相性が悪い人もいたり、考え方が全く異なる人達も大勢います。
一生懸命説明しても、立場が違うので理解してもらえなかったり、時には衝突してしまうこともあります。
とても精神的には厳しい仕事でもあります。
でも、近いうちに自分が満足できる建築が世に送り出せるように、辛いことだらけだけど、今も頑張っています。
こんな辛い目に合ってもやめないなんて…本当に美しさは罪だ!
住所 東京都台東区上野公園13-9
TEL 03-3822-1111
上野駅公園口から徒歩約10分
群馬県太田市 太田市図書館・美術館 設計:平田晃久
色んな人から文句を言われたりダメ出しされると、自分はなんてダメなんだろうと思ってしまうこともあるでしょう。
でも、気にしすぎることはないのかもしれません。
色々な人から色々言われるということは、あなたは言い訳をしたり、変に壁を作らず相手を受け入れる器があると思われていることの裏返しでもあるのでしょう。
それは立派な才能です。
こちらは太田市美術館・図書館です。
白い外壁とガラスで覆われた、清潔感のある建物です。
随所に植栽があり、とても柔らかな雰囲気を持つ建築になっています。
この建物はとても近づきやすいのが特徴です。
東西南北そして何階のどこからでも入ることができます。
変に入口を決めることで近づきにくい雰囲気を出してしまうことがありますが、この建物のように東西南北そして何階からでも入ることができるととても近づきやすい雰囲気があります。
そんな建物はとても街の人達から愛されています。
この建物がこの街の活性剤になってくれたら嬉しいと思います。
屋上テラスより。隣には電車が走っているのがわかります。
テラスのあちこちに休憩スペースや植栽があるので、自分の好きな場所でくつろぐことができます笑
住所 群馬県太田市東本町16番地30
TEL 0276-55-3036
太田駅から徒歩1分