大阪府東大阪市 司馬遼太郎記念館 設計:安藤忠雄
あの人みたいに斬新な発送が思いついたらいいなぁと感じることはあるでしょう。
司馬遼太郎さんのように、多くの人々を感動させる文学を生み出してきた人はどのようにして作品を創作してきたのでしょうか。
そんな司馬遼太郎さんと、司馬さんが創り出した作品について知ることができる記念館が大阪にはあります。
この建築には司馬さんの世界観が十分に表現されていますので、その特徴を紹介していきたいと思います。
◾️植栽に隠れるように佇む
司馬遼太郎記念館は、大阪郊外の住宅地にある司馬遼太郎さんの元自宅の庭の植栽に埋もれるように建てられています。
豊かに植えられた敷地内の庭園を歩きながらしばらく進むと、ようやく安藤忠雄さんお得意のコンクリートで作られた建築が姿を現します。
おそらくこの記念館ほどのボリュームを持つ建築を普通に建てていたら、とんでもない威圧感を持った建築になってしまいますが、地下に埋まっているのでうま〜く植栽に隠れています。
記念館ともなればインパクトのあるかたちで自己主張したい気持ちはありますが、あえて自然に隠れるように建築するあたりが司馬さんの作品のような親しみやすさを感じさせてくれます。
◾️3層吹抜けの壁一面に設置された本棚
弓なりのガラス通路を通りエントランスを抜けると、右側に3層吹抜けで壁が本棚で作られた大空間が出迎えてくれます。
この吹抜け空間の奥にはステンドガラスが設けられていて、柔らかな明かりが暖かみのある空間を創り出してくれます。
これはあくまで私の私見ですが、ステンドガラスもよく見ると本棚のような模様をしているので、本棚の延長のようにも感じられました。
そしてこの3層吹抜けの壁一面に設置されている本棚は司馬遼太郎さんの膨大な知識量を表現しているそうです。
司馬さんと言えば、ご自身の作品を執筆するために、ありとあらゆる膨大な資料を読み漁り、研究に研究を重ねて執筆に取り掛かることで有名です。
この膨大な書籍を読みこんで、研究を重ねたからこそあれほどの素晴らしい作品を世に生み出すことができたんですね。
才能がないと言い訳する前にまずは興味ある分野について資料を集めて研究することからはじめてみようではないか。という気持ちにさせてくれます。
以上のようにこの建物には思いをかたちにする上で、とても参考になるアイデアで溢れています。
まさに、成功は1日にしてならず!ということで、まずは小さなことから少しずつ始めていくことが成功への近道になるかもしれないですね^_^
TEL 06-6726-3860
八戸ノ里駅から徒歩約10分