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大阪府 住吉の長屋

「努力したのに上手くいかない。」

「これだけやったのに、こんなものか。」

挑戦すればするほど失敗も増えますが、成功する確率も間違いなく、上がっていきます。

なぜなら失敗から学び、上手くいかない方法がわかって、また一歩成功に近づくからです。

思い通りにいかなかった体験からは、貴重な経験が得られます。

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この住宅は住吉の長屋と呼ばれる住宅です。

住吉の長屋は、住宅としては斬新な空間をしています。

長屋をくり抜いて、そこにコンクリートの塊を入れ込んでいるようにも見えます。

外観は普通の鉄筋コンクリート造の家に見えますが、住宅内部の真ん中に中庭があり、窓は中庭に向けて設けています。

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限られた敷地に計画した住宅なので、とても厳しい条件ですが、何より驚きなのは、住宅なのに中庭を通らないと寝室やお風呂、キッチンに行けないところ。

ただ移動したいだけなのに、外を通るのは苦痛が生じるかもしれない。

まさに思い通りにいかない。

でも、移動するたびに自然を肌で感じられる。

何故なら生活するためには、必ず外を通るから、強制的に外部に出るからだ。

雨の日は、傘をさして移動しなければいけない。

その代わりとして、季節の移り変わりや、自然のありがたみ、時には厳しさを常に感じることができる。

これは、便利な住宅に住んでいる人にはできない体験だ。

思い通りにいかない体験をすることで、特別な才能や発明、考えが生まれるかもしれない。

建築家はそんな未知との遭遇を想像して、ワクワクしている。