「どうやって目立とうか?」
「人気を得るためには、他とは違う色を見せて目立つ必要がある!」
たしかにそれも大切ですが、周りのことも考えずに自分だけ目立とうとしたら、それは叩かれてしまいますね。
明治神宮ミュージアムは、まさに周りの環境に溶け込んだ建築です。
明治神宮の林の中にこじんまりと佇み、遠くからは姿が確認できず、近くによってようやく建物を確認することができます。
わりと大きな建物であるにも関わらず、とても軽快なデザインで、建物自体も明治神宮の森に溶け込んでいるように見えます。
近づいてみるとよくわかるのですが、とにかく軒先の厚みが薄い!
この薄い軒先のおかげで、軽快に感じられるのかもしれません。
ちなみに建物の屋根は、周りの環境に溶け込むよう、入母屋造の屋根を採用しています。
四方向に屋根が外側に向かって下がっているので、威圧感を感じさせない形状になっています。
そんな軒先の下を通り抜け、内部空間に入ると、木質が現しになった柱と梁、屋根裏で囲われたエントランスが現れます。
壁はガラスで覆われているので、柱が林立しているこの空間は、まるで静寂な明治神宮の森の中にいるような感覚を覚えます。
入母屋造屋根の妻側にもガラスが用いられているので、とても清潔感のある空間に感じられました。
外部も周囲に馴染み、内部も自然と同化している。
まさにこれこそ「負ける建築」の代表作品であるかのようです^_^
周りの環境に溶け込んでいるのに、その美しさから逆に目立ってしまう。
人と違うことを評価しがちですが、どうやったら周りに溶け込めるだろうかと考えてみるのも、生きていく上では必要なのかもしれませんね^_^