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青森県青森市 青森県立美術館

「一昔前の日本では、毎日が己の正義のために戦いを続けていた。」

「そんな時代を生きた人々は、みんなが平穏無事に暮らすことが幸せだった。」

「安心して暮らすこともままならない、戦いばかりの環境では、将来が見えず、不安だったに違いない。」

時は流れ、先人方の戦いにより、今の時代の日本は平和になった。

今の日本では、中学卒業後は、高校・大学・企業への就職をして、結婚をして家族をもち、歳を取ったら引退し、年金で暮らしていく。

この生き方が主流となっている。

だが、平和な時代であるが故に、その将来が見え過ぎる生き方に疑問を持つ人も増えてきている。

本当は管理職になりたくないのに、世間体を考えて、管理職にならなければいけない。

好きでもないのに、世間体を考えて、一緒にいなければいけない。

皮肉なことだけど、平和を願っていた時代では、将来が見えず悲観し、平和な時代では将来が見え過ぎて悲観していることもある。

いつの時代もそうだけど、未来なんて何が起きるかなんて、誰にもわからない。

10年前、コロナで苦しみ、働き方が大きく変わることや、東京オリンピックが延期になったり、スマートフォンに溢れた世の中を誰が想像できただろうか。

インターネットが世界的に浸透しつつある今の時代では変化が早過ぎるので、将来予測は難しいものだ。

だからこそ、将来のことは考えてもいいが、考え過ぎず、今をどう生きるのかを大切にしていこうと思う。

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こちらは青木淳さん設計の青森県立美術館

白い外壁と目の前の原っぱが共生していて、とても気持ちのいい建築となっています。

この美術館は、断面で見ると一般的な美術館とは逆になっているんです。

展示室を地下につくり、管理諸室やアトリエなどの施設が地上に設けられています。

先に地下を掘り抜いて空間をつくり、その上に管理諸室が入っているボリュームが被さるように空間が作られているんですね。

この敷地の隣には、三内丸山縄文遺跡があり、この美術館はその発掘現場から着想を得て、考えられたそうです。

幾何学的に掘り込まれた凹凸のある土地に、白くなられた凹凸のあるレンガのボリュームを覆い被せてできた空間は、独特の隙間をもち、今まで見たことのない斬新な空間を作り出しています。

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斬新な空間であるがゆえに、私は展示空間の先がどうなっているかわからないので、好奇心が掻き立てられ、ワクワクしながら進んでいったのを覚えています。

今まで見たことがないイコール恐怖ではなく、

今まで見たことがないから面白い。

だからこそ今考えてみると、先が見えないというのも、考え方次第では、とても楽しめる要素でもあるようです笑

結論を言いますと、建築も人生も今を楽しんだらいいと思います^_^

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