東京都立川市 グリーンスプリングス
立川市に新しくオープンしたグリーンスプリングスという複合施設で、多目的ホールやホテル、オフィスやショップで構成されています。
大型複合施設は、巨大な一塊のボリュームをつくり、真ん中に吹抜けをつくって、その外側に廊下と店舗などを設けるのが、一般的な作り方です。
ですがこの建築では、違う切り口で構成されています。
1階部分には、歩道側には店舗などを並べて、その奥に駐車場を設けています。つまりは建物1階の真ん中に駐車場があるイメージです。
巨大な複合施設では、駐車場は地下もしくは建物上部に設けることが多いですが、ここでは従来の作り方とは正反対になっています。
そしてその駐車場の上になる2階部分に人工地盤をつくり、その周りに建物ボリュームを設けて、そのボリュームのところどころに隙間をつくっています。
その隙間部分に階段を設けることで、この複合施設の外周部のどこからでも、2階の屋上庭園にアプローチすることができるようになっています。
模型で上から見ますと、それがよくわかります。
この2階の屋上庭園で色々な行動が交差するよう、X線上に街路が作られています。
この建築は、屋上庭園を歩きながら上の階へと上がることができるようにもなっています。
多目的ホール横にある大階段を上がっていくと、屋上緑化された空間に導かれ、その横にある通路を進んで突き当たりを曲がると、昭和記念公園を眺められる屋上テラスに辿り着くことができます。
素敵な物語性を含んだこの建築計画は、訪れた人々をワクワクさせて、楽しませてくれます。
屋上テラスには昭和記念公園を眺められるテラスがあり、ベンチに腰をかけながら過ごすこともできるようになっています。
この屋上テラスにはレストランも併設されているところが憎い演出ですね。
大規模な建築は、必ず周囲に大きな影響を与えてしまいます。
周囲の街並みのことを考えて、どのようなカタチのあり方が1番ふさわしいのか、考えることはとても大切だと思います。
そして、既存の建築計画のあり方ではなく、新しい建築計画を提案していくことも、とても大切だと感じました。
大学の卒業設計で提案されたような革新的なアイディアが実現していく時代がもうきています。