静岡県掛川市 資生堂アートハウス
新幹線線路沿いの敷地に建っていて、新幹線内から見たことがあるという方もいるかと思います。
流線形のボディがなんとも素敵です笑
この建築は1978年に完成した、谷口吉生さんの建築の中でも初期の頃の作品になります。
古さが感じられないどころか新しさを未だに感じられるところが素敵です。
外壁にはきらびやかな磁気質タイルをまとい、新幹線の姿に呼応するような流線型のカタチをしています。
外周部に見られる水平連続窓が印象的です。
とても清潔感のある姿で、資生堂さんの建築にふさわしい!なんて勝手に思ったりしています笑
外観の美しいデザインやカタチも印象的ですが、内部空間もとても面白いんです。
この美術館には2つの展示室があって、対象的なカタチをしています。
一つの展示室は四角形の展示室が円形の中庭を取り囲んでいて、もう一つの展示室は円形の展示室が四角形の中庭を取り囲んでいます。
円形の外壁を辿っていくともう一つの展示室にいざなわれて、気づくと中庭にたどり着いているという不思議な空間体験ができます。
カタチは円と四角形というシンプルなカタチを用いますが、内部空間はアイディアにあふれたカタチとなっているのが特徴的です。
上から見るとSの字に見えて、資生堂の頭文字をかたどっているようにも見えます^_^
これだけ特殊なことをやっているのにとても綺麗に納まっていて、建築自体が一つの作品のようでもあります。
この敷地の地面がそのまま盛り上がってでき、この土地に元々存在したかのような姿をしています。
建築設計者の私からすれば、谷口吉生さんの建築は見れば見るほど技術的にもデザインとしても学びが多いので、私は何度も訪れています。
今回は外壁タイルの貼り方を重点的に見ようとか、内部の開口部の納まりや空間構成を重点的に見ようとか勝手にテーマを決めながら眺めています。
それが実際に仕事に大きく役立っています。
色々な建築家の方の作品を見ていると、谷口吉生さんの影響を受けているのが理解できる時があります。
私もその一人なので、建築をつくるときはその情熱を持って仕事に取り組んでいきたいと思います。