建築現場でよく使う用語
「現場経験がほとんど無く、職人さん達との話についていけない。」
「新卒で現場監督として入社するが現場の専門用語を使った会話についていけるか心配だ。」
誰しも最初はわからないことだらけなので不安でいっぱいなものです。
私が木造住宅の現場監督になったばかりの頃もそうでした。
職人さんにいざ話しかけられても何を言っているのか全くわからないこともありました。
なのでこれから現場に出ていく方の少しでも役立つよう、現場でよく耳にした専門用語をまとめてみました。
前もって理解しておくことで現場での仕事がスムーズになるかと思いますので、紹介します。
▪️ふかす
壁の厚みを厚くする・迫り出すという意味です。
「ここ電気配線通ってるからふかしていい?」と言われたら、
「電気配線が通っている壁などを電気配線分の厚みだけ迫り出していい?」という意味になります。
「ここでタバコを吸っていい?」という意味ではありません。
↑写真右側がふかした壁です。
▪️インニッサン
ラジオ体操の時に使うような言葉ですが、現場では天井などの下地に使う木材のことをいいます。
36mm(一寸二分)×39mm(一寸三分)の木材を略してインニッサンと呼んでいます。
※現在は30mm×40mmで製造されています。
何かの合図ではありません。
▪️職人遊んじゃうよ!
職人が現場に入れず、仕事ができない状況を言います。
現場で仕事ができず稼げなくなり、職人さんにとっては楽しいというより辛い状況です。
現場で職人さん達がキャッチボールやトランプなどをして遊ぶわけではありません。
▪️埋め殺し
工事中に設けた何かしらの部材が撤去できないので土に埋めたままコンクリートなどを打設することを言います。
※現場で不祥事を起こした人を殺して埋めるわけではありません。
▪️ハメ殺し窓
開かない窓のことをいいます。物騒な呼び方やので今ではFIX窓・固定窓と呼ぶことが増えています。
※お客さんの前では使わないようにしましょう。
▪️はつっていい?
ものを削ったりすることを「はつる」といいます。
「玄関扉入らないから基礎少しはつっていい?」と言われたら、基礎コンクリートを少し削るという意味になります。
▪️ラーメン構造
柱と梁という部材が接合部で剛接合された構造をラーメン構造といいます。
※食べ物のラーメンとは関係ありません。
▪️ミルシート
かわいらしくてお菓子のような名前ですが、全然違います。
鋼材メーカーが発行する鋼材の品質シートのことを言います。
※建物の検査で提出を求められるので、必ず業者さんからもらうようにしましょう。
▪️手おこし
木造住宅などで柱や梁を建てて住宅の骨組みをつくっていく作業を、クレーン車などを使わずに人力で行うことを言います。
住宅を建てる敷地の前面道路が狭いとクレーン車などの大型車が入れず、部材を人力で運ぶしか方法がありません。
※その際は「今回の上棟は手おこしで!」と言いますが、職人さんからは100%文句を言われます。
▪️ここの高さ1200でいい?
現場ではmm単位で話します。
※メートルやセンチ単位で伝えるのはやめておいたほうがいいでしょう。
ここで紹介したものはほんの一部ですので、他にも思いついたらどんどん追記していきたいと思います。