建築設計に役立つブログ

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逆に考えてみる

「状況が変わらない。」「つまらない。」

そういうときは思い切って今とは逆に考えてみることも大切です。

建築を考える上でも常識とは逆に考えるということはとても大切。

ここでは常識とは逆に考えて作った建築を紹介します。

きっと仕事でも人生においても役に立つかと思います。

タイムズ

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川が近くに流れていれば安全を考えて川と建築を切り離して計画するのが一般的。

そんな中、あえて逆に考えて川に対して開かれた建築を作ろうと考えたタイムズ。

こういう建築をつくると、「川とこんなに近くて建築は大丈夫なのか?」「いかがなものか?」という意見が挙がります。

川の安全性をしっかりと調査した上で川が氾濫する可能性が低いことが証明できたので、このような建築を実現できました。

今では川と一体化している美しい建築となっていました。

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富士山世界遺産センター

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富士山を逆さまにしたような形が印象的な建築です。

この形にしたのは目の前にある水盤に富士山が写し出されるから。

これぞ逆転の発想^_^

でも私が特に面白いと思ったのは、この逆さまの富士山型の中に螺旋状の展示空間があることです。

外部内部共にとても面白い建築となっていました。

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広島市環境局中工場

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清掃工場と言えば閉鎖された敷地内にその姿をなるべく感じさせないよう計画するのが一般的です。

でもこの建築は逆に街に開かれた建築となっています。

建物真ん中を貫くトンネルはガラス張りの通路となっていて、清掃工場の内部が見られるようになっています。

清掃工場を閉じた建築ではなく、街に開かれた建築としたそのアイデアに感動する建築でした。

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六甲の集合住宅

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崖地は不動産的に考えるとフラットな土地に比べて価値が下がります。

設計するのも工事するのも大変なので避けられがちです。

こんな土地に建築はできないと考える中で、面白い建築ができると逆に考えて計画した六甲の集合住宅。

崖地はたしかに設計も工事も大変ですが、独特な魅力があります。

金額も安いですし、何より眺めがいい。

誰にも邪魔されない世界が感じられます。

まとめ
ここでは常識的な考えとは逆に考えて発想した作品を紹介しました。

人生が変わらなくてつまらないという人は思いきって今とは逆に考えてみることで変化が生じます。

恋人が欲しければ待っているのではなく自分から動いてみる。

毎日同じ道を通って帰るのではなく、違う道を通ってみる。

普段と逆のことをしてみると普段とは違う驚きや発見が必ずあります。

人生を面白くするために、思いきって普段とは逆のことをしてみてください!

一級建築士試験に出てくるアフォーダンスとは?

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アフォーダンス」とは環境が動物に与える意味のことをいいます。

例えば扉に取手が無くて平らな金属板が付いている場合はそこを押せばいいことを示していたり、丸いドアノブが付いていれば回せば開くということを示していると思います。

私は普段建築の設計をしている人間ですが、一級建築士の学科試験を勉強しているときにこの考え方を学びました。

最初は

アフォーダンスってなんのこっちゃ…」
「こんなもの覚える必要があるのか?」

などと思っていましたが、仕事をしているとこの考え方、実はとても大事なことに気づきます。

住宅が完成するとお客様に内覧会という建物の完成披露会をよく行うのですが、キッチンやお風呂、洗面化粧台などメーカーさんの商品を採用すると機能が多すぎて説明が追いつかない。。

「説明書を見ないと使い方がわからないというのも、どうなんだろうか?」と感じることもあります。

引渡した後もお客様から使い方がわからないと連絡がくることも正直多いです…

ここで改めて感じたのがアフォーダンスという考え方でした。

見ただけでどうやって使うのかがわかれば説明書を読む必要も無くなるので、お客様にとっても採用している方にも優しいかと思います。

建築を設計する上で非常に大切な考え方なんだなと改めて体感しました。

アフォーダンス」は何もデザインの考え方だけではなく、普段の仕事でも応用できると思います。

メールの文章一つにしても伝えたいことを誰が見てもわかりやすいように工夫して書くことはとても大切ですね!

図面でも現場監督や職人が混乱するような図面の書き方はしない方がいい。

一級建築士の学科試験で勉強したことがこんなカタチで役に立つとは思いませんでした笑

だから教科書に載っていたのか!

ボーリング地盤調査見積りでだまされなくなる注意したいポイント

鉄筋コンクリート造のように重さのある建物を計画する場合、ボーリング地盤調査を行う必要があります。

その時に注意するポイントは、

「ボーリング調査でどの程度の深さまで掘って調査するのか?」
というところです。

一つの業者に絞ってしまうと、極端に高くてもお願いしてしまうので、基本的には何社かに御見積りを依頼する相見積りを行います。

早速、業者から御見積書が届きました。その金額は、

A社 御見積金額450,000円(税込)
B社 御見積金額380,000円(税込)
C社 御見積金額300,000円(税込)

この数字だけ見れば、「間違いなくC社だ!」と思いますが、ちょっと待ってください。

もう一度言いますが、ボーリング調査の御見積書で気をつけなければいけないポイントがあります。それは、

「ボーリング調査でどの程度の深さまで掘って調査するのか?」
というところです。

ボーリング調査は、建物を支える支持層が確認できなければ、掘り続ける必要があります。

なので掘る深さが極端に短い設定で、御見積書を作っているようであれば、それは要注意です。

例えば掘る深さを10mしか想定していなければ、10m掘り進めて支持層が確認できない場合、更に掘り進める必要があります。

大抵の御見積書の欄には、

・地質調査 機械ボーリング○○m ○○,○○○円

という記載や、

・掘削費 ○○m ○○,○○○円

などと記載されています。御見積書に記載してあるm(メートル)という項目の数字に注目して下さい。

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↑このような項目のm(メートル)部分の数字が、他の御見積書に比べて極端に距離が短い場合は注意が必要です!

御見積書で予定していた深さより更に掘り進める必要があると、金額もその分追加になってしまいますね。

それだったら、金額は少し高めの設定だけど、掘る深さをある程度の深さまでにしている他の業者にすれば良かったということになります。

業者さんがボーリング調査の御見積書を提出するときは、調査敷地の近くで過去にボーリング調査を行った「近隣データ」を参考に掘る深さを設定します。

その「近隣データ」では例えば15m程度掘れば支持層が出ているので、御見積では安全を見て20mに設定しています。

ボーリング調査に関わらず、何かを依頼するときは、やはり御見積内容をきちんと確認することが大事です。

他の業者に比べて極端に金額が安い場合は、まず疑問に思ってみて、自分で調べてみましょう。

最近できた素敵な図書館(関東編)

最近話題の素敵な図書館を訪れてみました。

一昔前までは図書館は静かな住宅街の公園に隣接して建っているものが多かったのですが、最近は駅近の場所につくられるようになりました。

忙しいビジネスマンや学生からすれば、駅から近いと通いやすいのでとても助かります♪

ここでは駅近の素敵な図書館を紹介したいと思います。

大和市立図書館

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神奈川県大和市にある大和市立図書館です。

大和駅の近くにあります。

大きな建物ですが、広場に面している部分は建物高さが上がるにつれて後退しているので、圧迫感を感じません。

植物が植えられているので、さわやかな印象を受けます。

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外周りには魅力的な階段がいくつかあり、上に上がりたくなります笑

エントランスから中に入ると大きな吹抜けが出迎えてくれます。

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吹抜け上部にはガラス窓があり、明るく開放的な空間となっていました。

すぐ横にはスタバもありいい感じです。スタバがあるおかげで、図書館のおしゃれ度がアップしているようにも感じます。(スタバさんありがとう笑)

内部は吹抜けに面して読書スペースがあったり、ところどころに中庭があって個性豊かな空間になっていました。

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私が気に入ったのはテラスにあるカウンター席でした。

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大和市の街並みと風景を眺めながらカウンターに腰掛けてゆったり過ごせるなんてとても贅沢です!

この建物は大和市の文化創造施設でもあるので、色々な機能が含まれています。

最上階にはガラス張りの会議室がたくさんあり、開かれた空間となっています。

ガラス壁にはカーテンがあるので、閉めたいときはカーテンをして必要ないときはカーテンをしないという選択ができるのもいいですね〜

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個人的には建物の裏側が少し閉鎖的で建物もそそり立っていたので、そこが少々気になってしまいました。

裏側からも近づきやすいとありがたいですね^ ^

海老名市中央図書館

神奈川県海老名市にある図書館です。

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海老名駅の近くにある図書館ですが、私は駅の改札出口を間違えてしまい、めちゃくちゃ歩くことになってしまいました。。

外観はきらびやかなタイル貼りです。

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中に入るとエントランスホールに面して、スタバがあります。ここは蔦屋書店も入っていて本屋としての機能もあるんですね。

スタバのおかげもあり、とても賑わっています。(スタバさんありがとう笑)

空間の演出が素敵で、中に入ると吹抜けに面した壁一面の本棚が目に入ります。

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こんな空間を見せられたら、そりゃあ上に上がりたくなります笑

ここも個性豊かな空間がたくさんあり、自分の好きな場所で読書を楽しむことができるようになっています。

ここにいるだけでステータスな気分が味わえる気がします。

それにしてもこの吹抜け素敵だったなぁ。。

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板橋区立中央図書館

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東京都板橋区にある図書館です。

上板橋駅から徒歩7分くらいの場所にあります。

公園に面して建っていて、カフェもある図書館です。

外壁には横ルーバー状の庇がついていて、軽快なデザインです。

中には屋外テラスやトップライトの設けられた吹抜けがあるおかげで、明るくて開放的な空間となっています。

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屋外テラスのような空間が多く、公園とつながりを感じられるようになっています。

図書館にはカフェがあるのがありがたく、休憩がてら立ち寄ることもできます。

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武蔵野プレイス

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特徴的な外観をした建物で、武蔵境駅から徒歩1分のところにあります。

丸い窓が面白いです。

本当に駅前にあるので、とても便利です。

地下2階まで掘られているので、建物高さも抑えられ街にふさわしい形をしています。

ところどころに吹抜けがあり、上下階を立体的につないでくれます。

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カフェもあるので、休憩もできるとは言うこと無しです^ ^

本が大好きな私からすれば駅前にこんな素敵な図書館があるだけで、毎日が楽しくなりそうです!

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今の日本は色々なもので満たされているので、気が向いたらこのような素敵な空間で過ごすこともできます。

きっと家で過ごすことも減ってくるので、これからの住宅のあり方というのも変わってくるのではないでしょうか。

他にもたくさん素敵な図書館があるので、引き続き紹介したいと思います。

エクステリア共生建築

最近では温暖化対策のため、緑化などに力を入れた建築が増えてくるようになりました。

建築するということは自然を失うことでもあるので、自然を取り戻すという意味でも緑化は大切なことです。

ここでは緑化された素敵な建物を紹介します。

アクロス福岡

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福岡県福岡市にあるアクロス福岡です。

ひな壇型になった屋上には約5万本の樹木が植えられています。

目の前の公園と地続きになっているようにも見え、山のようにも感じます。

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東京ポートシティ竹芝 オフィスタワー

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東京都港区にある建物です。

竹芝駅から見るとひな壇型にテラスが展開し、そこに緑などが植えられています。

自然豊かな空間で、散策していたらカマキリやトンボを見かけることができました。

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豊島区役所

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東京都豊島区にある豊島区役所です。

建物外周部に緑や池など自然で覆われたテラスが設けられています。
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このテラスは階段があり、登り下りすることができます。

都会の立体自然公園みたいで素敵でした。

早稲田アリーナ

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東京にある早稲田大学戸山キャンパスにある建物です。

体育館のような巨大な建物を一部地下に埋めて、屋上を緑化しています。

体育館をそのまま地面の上にボンと建ててしまうと圧迫感のある建物になりますが、一部地下に埋めて緑化した屋上をつくることで失った自然を還元しています。

これからの建築のあり方を示しているようでとても勉強になります!
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緑化はこれからの建物では一般的なものとなりつつあります。

私ももっと植物に詳しくなっていきたいと思います。

 

尊敬する建築

東京都中央区の京橋に読売八重洲ビルという建物があります。

一見一般的なビルですが、このビルの凄さは見る人が見ればわかります。

建物の外観デザインだけでなく内部のデザインや建築的な納まりがとてもきれいで詳細に考えられているのが伝わってきます。

例えばエントランスをくぐり抜けると右手側には斜めに飛び出した壁が出迎えてくれます。

このあたり、遊び心があって面白いです。

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正面には木パネルが飾られていて、それらが照明で照らされています。

このあたり整えられていてとても美しい!

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また、エントランスホールには隣接してカフェがあります。

ビルを訪れた人が時間調節で利用できたり一息つけたりするので、とてもありがたい計画です!

カフェの背後にはガラスで覆われた展示スペースもあります。

この建物を見ていると、設計者のただならぬこだわりが見えて建築好きな私は楽しくなります。

納まりが美しく、建築家の谷口吉生さんを思い出します。

もしかしたらこのビルを設計された方も私と同じく谷口吉生さんに影響を受けている方なのかもしれません!

階段には壁の厚みを利用し、内側に広がる開口部も印象的です。

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建築好きならすぐにわかる世界的建築家の巨匠がこんな開口部をつくっていたのを思い出します。

外観は外部に向けて開かれた門型の形をしています。

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エントランス周りの縦格子が和を感じさせるデザインで印象的です。

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建物出入口前のピロティがカフェのオープンスペースとして利用されているので、街並みが明るくなります。

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たくみにつくられたピロティ空間のおかげでとても建物に近づきやすくなっています。

たくみにつくられたピロティ空間のおかげで中と外がやんわりとつながっているように感じました。

京橋に建つ一つのビルですが、このビルには設計者の思いがたくさん込められているのを感じます。

とてもいい建築を見たなー!と良い気分になりました♪

一級建築士学科試験に出そうな最新の建築2

渋谷区立宮下公園

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東京都渋谷区にある全長330mの屋上公園です。

1966年に東京で初めて屋上公園として整備された公園でもあります。

バリアフリーや耐震性のことを考えて、2020年に再整備されました。

渋谷区宮下公園は、立体都市公園制度というものを渋谷区で初めて活用した公園でもあります。

他の施設と都市公園が一体で整備されていますので、買い物の休憩として公園を利用できるのが嬉しいところです!

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屋上公園には植栽や休憩スペースに加えてカフェも併設されています。

公園を歩いていると、休憩スペースやスケート場・ボルダリング場・砂場など次々と風景が変わっていき、公園で過ごすのを楽しめる空間となっています。

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公園上空に設けられているリング状のものが公園という空間を上手く創り出しているようでいい感じですね!

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東京都渋谷区ならではの他に類を見ない建築でした。

公と民が一体となってつくられた独特の雰囲気を持った作品でもあります。

このような素敵な作品が世の中に増えていってもらえると嬉しいですね^ ^