建築設計に役立つブログ

建築設計に役立つ情報を発信していきます

東京都台東区 法隆寺宝物館

f:id:maezy3:20180205185957j:image

「なんてきれいなんだ!」

「こんな美しいものと出会えたなんて、驚きだ!」

「できればこのままずっと眺めていたいものだ。」

世の中にはあまりにも美しい物が存在し、美しいものは見た人を魅了し虜にします。

東京・上野には、そんな美しすぎる美術館があります。

それは建築家・谷口吉生さんが設計した法隆寺宝物館です。

そんな美しすぎる法隆寺宝物館の美しさについて、紹介していきます。

◾️余計なものは一つもない

この建物は均整のとれたプロポーション、余計な装飾は削ぎ落とし、究極と言える程に建築の納まりを考え抜いてデザインしていることが見てわかります。

◾️3つの重なる箱

この建物は、タイルが張られた展示空間の箱・ガラスの箱・門構えのカタチが立体的に重なり合って作られています。

ちょうど展示空間とガラスの箱が重なっていないところに階段が設置されているところが素敵ですね^ ^

図で説明しますとこんな感じです。

f:id:maezy3:20210203000023j:image

美しさの秘訣は長方体のような純粋なカタチを壊さずに建築を作っているからでしょう!

おまけに正面のガラスの箱には、周辺の樹々が映し出されて、とてもきれいに輝いています。

f:id:maezy3:20181205212843j:image

◾️水盤が建築を引き立てる

建築の前面部分には水盤があります。そしてこの水盤には通路があり、入口まで延びています。

それは訪れる人が、まるで極楽の空間に向かう時のように気持ちを整えてくれます。

それだけでなく、水面には建築の美しい姿を映し出します。

建物正面には石で作られたベンチがあり、そこに座ると建物と向かいあって、水のせせらぎを聞きながら、過ごすこともできます。

f:id:maezy3:20181205214250j:image

自分はこの建築作品を見た時、恋に落ちました笑

あまりの美しさにしばらく立ち尽くしていたのを覚えています笑

それ以来、このような美しい建築が作りたいと思い、今に至っています。

建築設計は、本当に大変な仕事だと思います。

好きだけど、嫌になることもあります。

建築は何百、何千という人が関わる仕事なので、正直相性が悪い人もいたり、考え方が全く異なる人達も大勢います。

一生懸命説明しても、立場が違うので理解してもらえなかったり、時には衝突してしまうこともあります。

とても精神的には厳しい仕事でもあります。

でも、近いうちに自分が満足できる建築が世に送り出せるように、辛いことだらけだけど、今も頑張っています。

こんな辛い目に合ってもやめないなんて…本当に美しさは罪だ!

住所 東京都台東区上野公園13-9

TEL 03-3822-1111

上野駅公園口から徒歩約10分

 

群馬県太田市 太田市図書館・美術館 設計:平田晃久

f:id:maezy3:20180203002346j:image

色んな人から文句を言われたりダメ出しされると、自分はなんてダメなんだろうと思ってしまうこともあるでしょう。

でも、気にしすぎることはないのかもしれません。

色々な人から色々言われるということは、あなたは言い訳をしたり、変に壁を作らず相手を受け入れる器があると思われていることの裏返しでもあるのでしょう。

それは立派な才能です。

こちらは太田市美術館・図書館です。

白い外壁とガラスで覆われた、清潔感のある建物です。

随所に植栽があり、とても柔らかな雰囲気を持つ建築になっています。

この建物はとても近づきやすいのが特徴です。

東西南北そして何階のどこからでも入ることができます。

変に入口を決めることで近づきにくい雰囲気を出してしまうことがありますが、この建物のように東西南北そして何階からでも入ることができるととても近づきやすい雰囲気があります。

そんな建物はとても街の人達から愛されています。

この建物がこの街の活性剤になってくれたら嬉しいと思います。

f:id:maezy3:20181202084055j:image

屋上テラスより。隣には電車が走っているのがわかります。

f:id:maezy3:20181202084052j:image

f:id:maezy3:20181202084059j:image

テラスのあちこちに休憩スペースや植栽があるので、自分の好きな場所でくつろぐことができます笑

 

住所 群馬県太田市東本町16番地30
TEL 0276-55-3036

太田駅から徒歩1分

 

栃木県宇都宮市 大谷石資料館

f:id:maezy3:20180121153820j:image

「目の前のことにとにかく没頭してみる。」でも没頭した分野で、成果を上げられないこともあるでしょう。

栃木県の名産である大谷石は建築素材として優れた石で、特に近代建築では有名建築家に好まれて使用されていました。高低差のある街では擁壁としてもよく用いられていますね。

そんな大谷石を使用するために掘り続けた場所が今では幻想的な空間を生み出す場所になっています。

独特な雰囲気が漂っていて、ミュージシャンの舞台や映画の舞台としても利用されています。

おそらく石を掘っている時は、そんな使われ方をされるなんて想像すらしていなかったのではないかと思います。

石を掘り続けた結果、その空間がなんとも言えない幻想的な空間を創り出していることになっていることに気づき、資料館として開館したところ、大勢の人が訪れる素敵なスポットになっていきました。

没頭したことで必ずしも結果を出せるとは限らないけど、その経験は見方を変えれば必ず成果に結びつくこともあるんですね。

人生捨てたものじゃない笑

大阪府東大阪市 司馬遼太郎記念館 設計:安藤忠雄

f:id:maezy3:20180120202959j:image

あの人みたいに斬新な発送が思いついたらいいなぁと感じることはあるでしょう。

司馬遼太郎さんのように、多くの人々を感動させる文学を生み出してきた人はどのようにして作品を創作してきたのでしょうか。

そんな司馬遼太郎さんと、司馬さんが創り出した作品について知ることができる記念館が大阪にはあります。

この建築には司馬さんの世界観が十分に表現されていますので、その特徴を紹介していきたいと思います。

◾️植栽に隠れるように佇む

司馬遼太郎記念館は、大阪郊外の住宅地にある司馬遼太郎さんの元自宅の庭の植栽に埋もれるように建てられています。

豊かに植えられた敷地内の庭園を歩きながらしばらく進むと、ようやく安藤忠雄さんお得意のコンクリートで作られた建築が姿を現します。

おそらくこの記念館ほどのボリュームを持つ建築を普通に建てていたら、とんでもない威圧感を持った建築になってしまいますが、地下に埋まっているのでうま〜く植栽に隠れています。

記念館ともなればインパクトのあるかたちで自己主張したい気持ちはありますが、あえて自然に隠れるように建築するあたりが司馬さんの作品のような親しみやすさを感じさせてくれます。

◾️3層吹抜けの壁一面に設置された本棚

弓なりのガラス通路を通りエントランスを抜けると、右側に3層吹抜けで壁が本棚で作られた大空間が出迎えてくれます。

この吹抜け空間の奥にはステンドガラスが設けられていて、柔らかな明かりが暖かみのある空間を創り出してくれます。

これはあくまで私の私見ですが、ステンドガラスもよく見ると本棚のような模様をしているので、本棚の延長のようにも感じられました。

そしてこの3層吹抜けの壁一面に設置されている本棚は司馬遼太郎さんの膨大な知識量を表現しているそうです。

f:id:maezy3:20181215231129j:image

司馬さんと言えば、ご自身の作品を執筆するために、ありとあらゆる膨大な資料を読み漁り、研究に研究を重ねて執筆に取り掛かることで有名です。

この膨大な書籍を読みこんで、研究を重ねたからこそあれほどの素晴らしい作品を世に生み出すことができたんですね。

才能がないと言い訳する前にまずは興味ある分野について資料を集めて研究することからはじめてみようではないか。という気持ちにさせてくれます。

以上のようにこの建物には思いをかたちにする上で、とても参考になるアイデアで溢れています。

まさに、成功は1日にしてならず!ということで、まずは小さなことから少しずつ始めていくことが成功への近道になるかもしれないですね^_^

住所 大阪府東大阪市下小阪3丁目11番18号

TEL 06-6726-3860

八戸ノ里駅から徒歩約10分

 

静岡県富士宮市 富士山世界遺産センター 設計:坂茂

f:id:maezy3:20180115232733j:image

「念願だった企画やデザインの仕事をすることができる。」

「それなのにまったくいいアイディアが浮かばない。」

「どうやったらいいアイディアが思いつくのだろうか?」

企画やデザインの仕事についていれば、誰でも壁にぶつかることはあると思います。

常識などの固定概念に縛られて、いいアイディアが出ない時は思い切って逆に考えてみるのはいかがでしょうか笑

静岡県には、建築家の坂茂さんが設計した富士世界遺産センターというユニークな建築があります。

坂茂さんと言えば、最近では大分県立美術館やポンピドゥーセンターなど、木材を用いた透明感のある美しい建築をデザインされていて、国際的に御活躍されている建築家の方です。

他にも紙でつくられた建築を設計されていて、災害支援活動にも力を入れています。

2014年には、建築分野のノーベル賞と言われるピューリッツァー賞を受賞されています。

そんな偉大な世界的建築家・坂茂さんが設計した建築が静岡県にあるなんて。

これは見に行くしかありません笑

ということで、早速訪れてみました。

何を隠そう、富士山世界遺産センターは、本当に面白い施設です。

外観からいきなり度肝を抜かれるのですが、富士山が逆さまになったような外観が印象的ですね。

しかもそれを木材で表現しているところなど、とてもユニークです。

富士山が逆さまになっている姿には狙いがあり、建物の目の前に広がる水面には建物が逆さまに映し出されているので、まるで富士山のように見えるのです。

逆さ富士が表現されているあたりが、とても印象的です。

更には建物の内部も、逆さまになった山のような内部空間を螺旋状に上がって行くところも富士山とは真逆の発想です。

何を隠そうこの建物は、全てが普通とは逆の発想で考えられています。

まさに逆転の発送を用いているところが、とても勉強になります。

人間だから行き詰まることもあるだろう。

そんな時は、いつもとは逆に考えると壁を乗り越えられるかもしれない。

f:id:maezy3:20181219111854j:image

こちらは最上階から見られる富士山です。

可動間仕切り壁は床と天井にレールが埋め込まれているので、建物内部から見ると富士山が額縁に切り取られた絵画のようにも感じられます。

f:id:maezy3:20181219111858j:image

外に出ることもできます。

f:id:maezy3:20181219111850j:image

開放すると内部空間が外部テラスと一体となります。

 

住所 静岡県富士宮市宮町5-12

TEL 0544-21-3776

富士宮駅から徒歩約10分

 

 

富山県富山市 富山県立美術館

f:id:maezy3:20180114221412j:image

新幹線が開通し、東京からとても便利になった富山に美しすぎる美術館があるというので早速行ってみることにしました。

行ってみると本当に感じますが、富山は名前の通り、とにかく美しい山に富んだ場所でした🏔

雪化粧をまとった山脈を見ていると、日本ではないような感覚になります。。

そんな山を見ながら川沿いを歩いていると、一際美しい建物が見えてきます。

それが建築家の内藤廣さんが設計した富山県立美術館です。

実際見てみると本当に美しい建物だというのがよくわかります。

納まりが徹底して考えられており、隙が見当たらないくらい綺麗でした。

透明なガラスのファサード、斜めにデザインされた大階段など、訪れた人々を巧みに誘っているようです。

この建築は1階部分が浮いているような印象を受けました。

それでよくよく調べてみると、1階部分がパーキングになっていることが判明。

そんなことを感じさせないデザインにも感動を覚えます。

エントランスに入ると、鮮やかな色合いのチケット売り場と木材を用いた天井が出迎えてくれます。

近くにあるエスカレーターや階段を見ると、今すぐにでも上の階に上がりたくなりますね。

f:id:maezy3:20181202084530j:image

中に入るとわかるのですが、この美術館は1つの都市のようになっています。

アートを楽しむ展示室だけでなく、そこに移動する途中に富山の美しい街並みを眺められる場所が所々に点在していたり、図書スペースや子供がアートに触れることができるアトリエ、レストランが吹抜けを介して立体的に繋がっているところも面白いですね。

アート以外にも気軽に立ち寄れる感じがとても好感が持てました^ ^

屋上にある庭園は残念ながら、冬の間は閉鎖されて行くことができなくなっていたので泣く泣く諦めることになってしまいましたが…

歩き回って色々な部位を観察していると、本当に細かいところまでこだわって納まっていることがよくわかります。

「美は細部に宿る」というけど、この美術館を見ていると本当にその通りだと実感させられた瞬間でした。

この建物は本当に親しみやすく、立ち寄りやすい雰囲気が何より嬉しいところです。富山の新しいランドマークである富山県立美術館には是非訪れてほしいですね^ - ^

住所:富山県富山市木場町3-20
TEL:076-431-2711 

富山駅より徒歩約20分

石川県金沢市 鈴木大拙記念館

f:id:maezy3:20181206222317j:image
「忙しくて家に帰るのはいつも夜中。」

「最近では溢れた仕事を補うために、お客様からのクレームに対応するため休みも仕事に行く。」

仕事熱心なのはわかりますが、これでは精神的にも肉体的にも追いやられ、逆にモチベーションが下がり、ミスやクレームが多くなるなど悪循環になってしまいます。

「そんな時は自分と見つめ合おう!」ということで、見つめ合うのに最適だと感じている金沢の鈴木大拙記念館というところに来てみました。

金沢では21世紀美術館が有名ですが、そのすぐ近くにこの建築があるんです。

ちなみにここは、禅文化を世界に広めた仏教学者、鈴木大拙の記念館です。

そして建物は、世界的建築家・谷口吉生さんの設計なので、楽しみで仕方がありません。

谷口吉生さんと言えば、葛西臨海水族園京都国立博物館・平成知新館、丸亀市猪熊弦一郎美術館など、とても美しい建築を設計しています。

その美しさに魅了されて、建築家を目指した方もいらっしゃいますし、同じ建築家からも尊敬されています。

自分は谷口吉生さんのファンでして、語ると長くなるのでこの辺で辞めておきます笑

とりあえず簡潔に伝えようと思います。

何を隠そう、この記念館、最高の建築です(^^)シンプルなデザインですが納まりはとても美しく、全てが研ぎ澄まされています。

内部空間はまるで小説の物語を読んでいるような物語性を含んだ空間になっています。

展示空間は主に3つあるのですが、それぞれが庭との繋がりが感じられて、とにかく素敵です。

じっとしながら庭の姿を見ていると、本当に静寂を取り戻すことができます。

f:id:maezy3:20190127224322j:image

この建物には「余白」が多く存在しています。

私自身は、余白があることで「何か」を受け入れる余裕が生まれると思っています。

ある意味人生での余裕も余白と似たようなもので、余裕が無いとチャンスをみすみす逃してしまったりします。

だからこそ、人生にも建築にも余白が必要だと思います。

f:id:maezy3:20181206222433j:image


f:id:maezy3:20181206222428j:image

忙しい世の中なので、ついつい自分のスケジュールを仕事でいっぱいにしがちですが、それではただ生きているだけになってしまいます。

自分を見失ってしまいそうなとき、この建物の「余白」に触れてみましょう。

きっとあなたの人生を豊かにする「何か」が見つかるかもしれないですね。

f:id:maezy3:20210131224653j:image

住所:石川県金沢市本多町3丁目4番地20号
TEL:076-221-8011

金沢駅より徒歩20分