コロナ禍で生活の形式が大きく変わりました。
建築でも環境や換気などに対する意識が大きく変わりました。
ところで日本の建築には昔から半外部空間という空間が多く存在します。
半外部空間とは大きな屋根の軒下空間のような場所をいいます。
半外部空間はコロナ禍では大きく活躍できると思っています。
私は大学生時代、かねてからその可能性を感じていた半外部空間の研究を行っていました。
なのでここでは半外部空間が印象的な建築を紹介したいと思います。
おりづるタワー
屋上テラス
この建物の最上階は屋根の付いた屋上テラスになっていて、そこからは原爆ドームを眺めることができます。
原爆ドームを眺めることができます
初めて訪れたときは今まで体験したことのない不思議な空間となっていたので、とても楽しんでいたのを覚えています。
腰を掛ける場所もあったりするので、広島の風を感じながらテラスでのんびりと過ごせる極上の空間となっていました。
工学院大学八王子キャンパススチューデントセンター
八王子にある工学院大学の建築です。
庇にとてもインパクトがあります。
巨大な庇を後ろから見た姿
片持ちの巨大な庇が創り出す半外部空間は八王子の街を眺めるのに最適な場所です。
ここにいると建物に守られているようで安心します。
巨大な庇の下の軒下空間
庇の下に入るといつのまにか建物の領域に入っているので、なんだかとても近づきやすいですね!
庇が目立つのでランドマークとしても最適です。
江戸東京博物館
私がこの建物に初めて来たのは小学生の社会科見学のときでした。
巨大な建物が4本の巨大な柱によって持ち上げられてできた半外部空間は当時小学生だった自分にはかなりのインパクトがありました。
巨大なピロティ空間
「こんな巨大な建築物をつくることができるなんてすごい!僕も建築家になろう!」と決心したのを覚えています笑
スケール感が大きいので宇宙船のようです。
両国駅前の立地のいい場所なのでこの空間を屋外カフェやレストランとして利用するなんてのも面白そうです。
私は少し不動産屋の血が入っているので、この広い半外部空間を活用して経済的な足しにしたいなんて思ってしまいました笑
アオーレ長岡
アオーレ長岡の模型
ナカドマと呼ばれる大屋根の下の半外部空間が建物をつなぐ中心的な空間となります。
ナカドマ
それにしても大きなスケールでした。大屋根は雪の重みに耐えられるよう剛強な構造となっているのが見てわかります。
雪が降る冬の新潟でも外で安心して過ごせる空間であり、また寂しさを感じさせない楽しい空間となっているのが嬉しいですね。
つくばカピオ
つくば市にある大規模イベントホールです。
目の前の公園から見たつくばカピオ
建物正面には巨大な門型フレームがあります。
イベントがある日のエントランス前は大勢の人で混雑しますが、庇があるので雨の日でも安心です^_^
庇の下は雨が降っても安心の場所
開かれた門型の姿をみるとなんだか歓迎されているみたいでいいものです笑
庇の下から見たつくばカピオ
大東文化大学板橋キャンパス
続いてこちらは大東文化大学板橋キャンパスです。
建物正面に庇がかかっていて、その下に立体的な外部階段があります。
庇があることで雨の日でも外部階段で登り下りできます。
階段を登り下りする人の姿がファサードの一部となっていて、見ていて素敵だなと感じました!
また建物正面に外部階段があるとわかりやすいので緊急事態発生時に結構助かります。
この建物の隣にもう一つ。それがこちらの建物です。
天井と上部の壁がガラスのスクリーンで覆われていますが、覆っているものの正体は太陽光発電パネルでした。
この建物は面白い空間になっていまして、部屋は完全な内部空間ですが部屋の前にある廊下は半外部空間となっています。
半外部空間となった廊下
大きな建物は空調を整えるために莫大な電力を必要としますが、この建物は廊下が半外部空間となっているので、機械で空調を整える必要がありません。
コロナ禍の時代にはふさわしい建築です!
おまけに空調を整える電気も多く使わないので、とてもエコです。
死ぬまでに行きたい建築
実は私の中で最もインパクトのある半外部空間を創り出している建築がスイスのルツェルンという場所にあります。
建物の名前はルツェルン文化会議センターといいまして、死ぬまでに一回見てみたい建築です笑
残念ながらまだその夢は叶っていませんが、コロナがおさまったら見に行こうと思います。