石川県加賀市に世界的建築家・谷口吉生さんが設計した片山津温泉という施設があります。
谷口さんの建築が好きな人なら、目がない建築です笑
谷口さんの建築は、簡素で装飾を究極にまで省き、素材の納まりを徹底して考え抜いた美しい作品がほとんどです。
谷口さんの作品を見ていると心の底から感動し、気持ちがどんどん穏やかになったりします。
この建築は上から見ると点対称に作られていて、2枚のガラスの壁がずれて配置されています。
ガラスの壁がずれた部分に2つの浴室のボリュームがあり、1つは近接する柴山潟に開かれていて、もう1つは木々が生茂る庭に向けられています。
日によって浴室が入れ替わるので、訪れた人は森の中で湯に浸かっている気分と、目の前の柴山潟と連続した空間で湯に浸かっている気分のどちらかが体験できます。
ちなみに浴室の上部はテラスになっていて、くつろぎながら加賀の風景を楽しむことができます。
表と裏で全く違う空間体験ができることが何より面白いです。
今の時代はインターネットのおかげで、とても多様性のある社会になってきました。
仕事でも1つの顔を持つだけでなく、いろいろな顔を持っていてもいい時代なのかもしれません。