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建築設計を目指す方へ!センスという言葉にだまされないで

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「将来は建築家になって、大きなビルを設計したい。」

「おしゃれな家を設計したい。」

そんな夢をもって大学や専門学校の建築学科に進んだときに、まず立ち塞がるのが「センス」という言葉です。

センスがいいねえ。
君センスがあるよ。
センス無いなぁ。
あの人はセンスがあるから教授に認められているよね。
センスが無いとあの教授の研究室には入れないよ。
センスは生まれつきのものだから無い人は諦めた方がいいよ。

センス、センス、センス、、、って、

いちいちうるさいなぁ!!

なんなんだセンスって、そもそも⁈
みんなセンスの意味がわかって言ってるのか?

私の話になりますが、子供の頃から建築が好きで大人になったら建築の道に進もうと思い、大学の建築学科に入学しました。

入学当初私は建築構造分野の道に進もうと考えていたのですが、あるとき大学の授業で「10年後の家を考える」という課題がありました。

その課題に取り組み「どんな家にしようかな〜」と朝から寝る直前まで家のことを考えている自分に気づきます。

心のどこかで自分の考えたことが形になっていく過程が楽しくて仕方がなくなり、寝るのも忘れて没頭していました。

そして自分が考えて形にした住宅が大学の先生たちに評価されたとき、とても嬉しかったのを覚えています。

それがきっかけで「建築設計を仕事にしたら楽しいだろうな〜」と思い、建築設計の道に進んだのを今でも覚えています。

しかしそれ以降は散々な結果でした。。

住宅までは考えることができても、集合住宅や学校・美術館や図書館などのような大きな建築の空間やカタチについて考えることができない。

考えても考えてもカタチにすることができず、苦しむ日々。

授業では毎週同級生達の前で、自分が考えてきたコンセプト資料や図面・スタディ模型という簡単な模型を作って発表しなければいけないのですが、それが苦痛でたまらない。

どうしてそのカタチになったのかという根本的な要因となるコンセプトを考えられない。

そして建築を平面的にしか考えられず、立体的に考えることができない自分が残念で仕方がない。

イキイキと発表している人達がうらやましくて仕方がありませんでした。

建築の意匠設計に進んでくる人達はみな、自分の設計に自信をもっている人達であふれています。

お父さんが建築家である子や、過去に何かしらのデザイン賞を取った人も多く、気がつけばマウンティングの嵐です。

私は大学に入るまで建築設計やデザインに全く無頓着だったので、そんな強者達の影に潜むばかりでした。

自分が悩んでいるときによく言われたのが「センス」という言葉です。

センスが無いなら諦めた方がいいと言われ、当時はセンスが無い自分自信を呪ったこともあるくらいでした。

のどから手が出るほど欲しかったセンス。

でも私は、周りからセンス無いから建築設計は諦めた方がいいと思われていたけど、辞める気はありませんでした。

なぜなら建築のことを考えている間はとても幸せで、時が流れるのも嫌なことも忘れて没頭できたからです。

特にやりたいこともなく無気力な人間だったのに、建築設計と出会ってから私は自分の人生の目標を見つけることができてとても前向きになり、ネガティブなことを考えることも少なくなりました。

建築設計力を高めるために、色々な場所に旅に出て名建築を訪れました。

空間やカタチ・デザインに答えは無いので、建築家が違えば建築のあり方も大きく変わります。

「この人はこうやって考えたのか〜。」と色々な人の作品に触れることで視野も広がっていきました。

また遠く離れた場所に旅に出てみると、その場所では自分のことなんて知っている人はほとんどいません。

しょせん自分の悩みなんて小さなものです。というより今いる場所から離れれば、自分のこともその場所の人も誰も知らない。

学校や会社・身内などでの人間関係で悩んでいる人は、その事実を知ればきっと悩んでいるのがバカバカしくなるでしょう。

話は少しそれましたが、センスの話に戻ります。

なので私は「センスが無いなら身につければいいんじゃない?」と思うようになり、必死で学ぶことにしました。

建築設計を学び始めてもうすぐ20年になりますが、建築関係者の間で言われているセンスの正体が少し見えてきた気がします。

ブログでは私なりに学んできたそのセンスの正体を少しずつ発信していきたいと思っています。

「センスは後付けでも身に付けることができる!」

をモットーに、センスという言葉を聞いて建築設計を諦めようとしている人へ向けて、この記事が強力な武器となってくれたら幸いです。