ニッチとは西洋建築で壁などにある凹みのことをいいます。
ニッチと聞くと、
「なんだ、ただの壁の凹みじゃないか」
と思われるかもしれませんが、計画によっては見せ場にもなる存在でもあります。
さほどお金もかからず手軽に計画・施工できるので、設計者からすれば多用していきたい存在です。
ここではそんなニッチの活用方法を紹介します。
▪️小物置きとしてのニッチ
玄関にセパレート型の玄関収納や置き型収納であれば小物などを置く場所があるので問題無いのですが、そういう場所が無い玄関では鍵などの小物を置く場所が無いので不便です。
そんな時にニッチのような存在があればとても助かります。
小物を置くことができますし、凹んでいるので邪魔にもなりません。
おまけにニッチの壁紙を他と変えてあげるだけで、ちょっとしたアクセントにもなります。
▪️空間を有効活用するためのニッチ
都心のように限られた敷地で計画する住宅では可能な限り空間を有効活用したいものです。
インターホン画面や床暖房リモコンなどはよくLDKの空間内にあることが多いと思います。
動線上にそのようなリモコンが壁に付いたままだと、急いでいる時にぶつかったりして危ないですね。
そんな問題を解決するために、ニッチを設けてその中にリモコンを設置することで肩などをぶつけたりすることが無くなります。
▪️飾り棚としてのニッチ
廊下など何も無いと退屈な空間になってしまいますが、特段飾りをつくるスペースもありません。
そんな時にニッチを設けることで小物を飾れる棚にもなります。
ニッチ上部に小さなダウンライト照明を設けてあげればちょっとした美術館の展示のようにもなります。
このニッチのように上部を曲線にしてみるだけでも可愛らしさ満載の印象になります。
きっと空間が楽しくなるでしょう。
▪️額縁としてのニッチ
この写真のように壁面を凹ませてその内部にタイルなどを貼ってみると空間の良いアクセントになります。
こうすることでニッチがまるでタイルの額縁のような役割を果たしてくれます。
ニッチはわりと地味な存在ですが、美は細部に宿るものです。
ニッチはつくり方や設ける場所によって大いに活躍しますので、是非とも活用してみて下さい。